第4章 第2回、腐女子会 〜勝デクVS轟出〜
耳郎は2人の様子に少しビビりながら、適切な言葉を探そうとしている。
「耳郎ちゃん」
そんな耳郎に梅雨は声をかけた。
「三角関係って……いいわよね」
「いい!」
耳郎は考えることをやめ、梅雨の質問に叫んで答えた。だって、三角関係は皆大好きだから。
「ねえねえ、ショックなのはわかるけど、私、響香ちゃんの話聞きたいな」
葉隠はお茶子と芦戸を揺さぶって、起こそうとしている。
「う……仕方ない……」
「そういう約束だもんね……」
2人は次、轟出の話をされたら死ぬというような顔をして起き上がった。
「いいのか……? あの2人、死なないか……?」
「大丈夫よ、耳郎ちゃん。存分に話しなさい」
梅雨は耳郎を後押しするように、優しく肩を叩いた。
「わかった」
耳郎はお茶子と芦戸を少し気にしながら、話し出した。
「ウチが好きな轟出は緑谷が轟に惚れてるってのが好きなんだよね」
「うんうん」
死にそうな顔をしている2人の隣で、葉隠は楽しそうに頷いている。
「ほら、轟って面が良いじゃん? あの顔だと男子でも好きになるやついるんじゃないかな〜って思って」
「確かに」