第4章 第2回、腐女子会 〜勝デクVS轟出〜
芦戸は死にそうな声で麗日に声をかけた。
「芦戸さん……私、もう無理やよ。デクくんがあの体育祭の決勝の場面で、爆豪くんじゃなくて轟くんを応援してたなんて……」
「わかるよ……耐えられないよね……でもね、まだ希望の光は消えてないはずなんだよ……」
麗日は首を横に振った。
「勝てる気がしないよ……」
「大丈夫だよ。だって、幼馴染みだよ?」
2人は死にそうな顔をしながら話をしている。
「……あの2人……どうしたんだ?」
「百ちゃんの話がよっぽどショックだったみたいね。緑谷ちゃんが轟ちゃんのことを応援していた=緑谷ちゃんは轟ちゃんを選んだってことにも考えられるから」
梅雨は2人の状況をわかりやすく、耳郎に伝えた。
「なるほど、そういうことか……そう言えば、梅雨ちゃんはショックを受けないのか? 勝デク派なんだろ?」
「私は勝デク派だけど、轟出に嫉妬している爆豪ちゃんっていうのが大好物だから問題ないわ」
梅雨は笑った。
「つ、梅雨ちゃん……」
「裏切り者……」
先ほど倒れた2人の方から、黒いオーラが見えるような気がした。
「裏切り者っていうか……ちょっと歪んでるっていうか……」