第4章 第2回、腐女子会 〜勝デクVS轟出〜
「でも……それなのに、緑谷さんとの戦いでは使用した……」
八百万は目をキラキラと輝かせた。
「それは緑谷さんが『君の! 力じゃないか!!』って言ったからだと思いますわ!」
八百万は拳を握り締めた。
「ここからは私の妄想なのですが……今まで、誰からも認められずに育った轟さんにとって、緑谷さんは初めて自分を認めてくれた人なんだと思いますわ!」
八百万は頬を赤くして、手のひらを握り締めた。
「そんな緑谷さんに轟さんが特別な感情を抱くことは当たり前のこと……」
さらにヒートアップした八百万は続ける。
「それから、轟さんは自分を犠牲にしてまで本当の自分を導き出してくれた緑谷さんを大切に思い、一緒にいるようになったのだと思いますわ!」
「確かに」
「それに、私……聞いてしまったのですわ」
八百万は握り締めている手をさらに強く握り締めた。
「決勝戦の試合中に、緑谷さんが轟さんに『轟くん! 負けるな! 頑張れ!!!!』と叫んでいたのを……」
八百万のその言葉を聞いた瞬間、お茶子が倒れた。
「麗日!?」
耳郎が叫んだ。その隣で芦戸も胸を押さえている。
「麗日……死ぬな……」