第4章 第2回、腐女子会 〜勝デクVS轟出〜
「せやろ」
麗日はニコリと笑った。
「勝デクは幼馴染みというベールに包まれたしんどいの塊なんやで」
「私、ちゃんと知りもしないで轟出とか騒いでて、とても恥ずかしいですわ……」
お茶子もゆっくりと体を起こした。
「大丈夫。私だって、まだ轟出の良さがわかってないんやもん」
お茶子は八百万に手を差し出した。
「今度は轟出を聞かせてくれへん?」
「もちろんですわ!」
八百万は差し出した手をギュッと握った。
「それでは、私から轟出の話をさせていただきますわ」
八百万は胸の前で手を握って、轟出について語り始めた。
「私が轟出に目覚めたのは昨日、耳郎さんが少し話していた体育祭からでしたわ」
八百万は頬に手を当てた。
「私もよくはわからないのですが……轟さんは体育祭で緑谷さんと戦うまで、戦いの中で左側である炎の個性を使用したことがなかったと聞きました」
「え!? そうなん!?」
お茶子は驚いた様子で声を上げた。
「はい。たぶん、エンデヴァーのことが嫌いなことも関係してると思うのですが……」
6人は少し悲しそうな表情をした。ーー6人は轟焦凍がどうして炎の個性を使用していなかったのか、詳しい事情を知らないのだ。