第3章 第1回、腐女子会 〜デク総受け〜
「あの激闘を乗り越えて仲良くなるなんて、あー高校生って感じだなって思ったんだよな」
「青春だよね!」
「あのー」
お茶子が2人の会話に割り込む形で、おずおずと手を挙げた。
「盛り上がってるところごめんな。葉隠さんは……どうしてそんなにテンション高いん?」
「あー、そう言えば言ってなかったね」
葉隠は腰に手を当てた。
「実は私も轟出派なんだよね!」
「えー! でも、さっき勝デクいいって言ってたじゃん!」
芦戸は頬を膨らませた。
「私は勝デク“も”って言ったよ。それに私、地雷ない雑食型だから全部好きなんだよね」
葉隠はビシッと決めポーズを決めた。
「な、なるほど……」
お茶子は納得したように頷いた。
「雑食型って生きやすいよね……」
「強いですわ……」
「みんなと仲良くできるし、本当にいいよな」
ーー雑食型腐女子。それは与えられたものならば何でもハマり、地雷と呼ばれる嫌いなジャンルや嫌いなカップリングがない、腐女子界最強とも言える存在。
「でも……」
お茶子は悔しそうに膝をつき、ふるふると震えている。
「それでも、私は……勝デクが好きなんよ……」