第3章 第1回、腐女子会 〜デク総受け〜
「わかる! 好きなカップリングで共感できる友達が周りにいないと辛いよね……」
悲しそうな顔をしている八百万を見て、芦戸も心を痛めた。
「はい……」
「大丈夫だよ」
そんな八百万に耳郎響香が声をかけた。
「ウチも轟出が好きだから」
「……え?」
八百万だけでなく、他の面々も驚いた顔をした。
轟出とは轟焦凍と緑谷出久のカップリングだ。
「えー!? 響香ちゃん、轟出派だったん!?」
「上出派だと思ってた!」
お茶子と芦戸は意外と思い、とても驚いた顔で言った。
「まあ、確かに上出は好きなんだけど……勝デクか轟出かどっちが好きかって言われたら、轟出の方が好きだなって……」
少し照れたように笑って、耳郎は話した。
「何で何で!?」
なぜかテンションの高い葉隠が腕を上下に動かして聞いた。
「なんか……入学当初は全く仲良くなくて、轟なんか……一匹狼だったのにさ……体育祭で戦ってから急激に仲良くなるとか……良くね?」
「良い!」
葉隠は叫んだ。
耳郎は内心、自分の発言に語彙力もクソもないなと思いながら、それでも葉隠に自分の思いが通じたことが嬉しくて続けた。