第3章 第1回、腐女子会 〜デク総受け〜
お茶子と芦戸は勝デクトークで盛り上がっている。
「……」
一方、その2人の反対側で八百万はずっと顔を俯けている。
「百ちゃん、どうしたの? どこか調子悪いの?」
心配した梅雨が声をかけた。
「い、いえ……」
そう言いながらも、八百万は浮かない顔をしている。
「ヤオモモ、どうしたの?」
「何かあったん?」
「……」
芦戸とお茶子も心配になって彼女に聞く。八百万はみんなに聞かれ、意を決したように俯いていた顔を上げた。
「私、皆さんに嫌われてしまうかもしれませんが……」
高校生にしては大きい胸の前で、八百万は手をグッと握り締めた。
「私は……轟出が好きなんです!」
八百万は他の5人の顔を見るのが怖くなり、再び顔を俯けてしまった。
「……顔を上げて、百ちゃん」
梅雨の声掛けで八百万は顔を上げた。そこには、申し訳ない顔をしているお茶子と芦戸がいた。
「八百万さん、ごめんな〜! 私たちばっかり盛り上がって……」
「嫌だったよね……もしかして、地雷だった……?」
「ち、違いますわ!」
八百万は慌てて否定した。
「私、緑谷さんが受けでしたら、どのカップリングでも好きですの。ただ……皆さん、全員勝デク派で……私だけ轟出派なのかなと思ったら、少し悲しくなってしまって……」