第5章 10月14日
『今日は13日かぁ。早かったような、遅かったような…。団長とお会い出来なかった…』
街から買い物から帰ってくると、班長からエルヴィン団長が探していたと聞き、慌てて団長室へ向かったが団長は既に兵舎を出た後だった。
『お会い出来なかったのは寂しかったけど、おかげというか誕生日プレゼントの用意は間に合った』
手の平サイズの小さめのグリーンの箱に白いリボンを結びつけた包みを大切に包み込む。
時計を見ると21時を回っていた。
今朝、ハンジからエルヴィンからだよと手紙を受け取り22時に団長室に来るよう指示が書いてあった。全てを知っているのかハンジはニヤニヤとアキの腕を突いたりして、アキは楽しみで仕方がなかった。
『折角だし、ちょっとおめかししようかな。団長の誕生日だもん!シャワーもさっと入って着替えちゃお!』
22時前。
『エルヴィン、長いこと居座って悪いな』
『エルヴィン~早めの誕生日おめでとうね~!明日の壁外調査、死ぬんじゃないよ~!あははっ!』
『チッ、クソメガネが。。こんなんじゃ、テメェのほうがよっぽど早く逝ってしまうだろうが。』
部屋からミケ、ハンジ、リヴァイが順番に団長室から出てくる。壁外調査前だが、今晩だけはと酒を用意するとあっという間に盛り上がり、ハンジはだいぶ酔っていた。
アキは話は聞こえないが何となく邪魔してはいけない気がして、近くの壁に身を潜めていた。
『皆、私の為に集まってくれてありがとう。壁外調査前とは思えないぐらい楽しい一時だった。ハンジ、部屋に戻ったら水を飲むように。ミケとリヴァイ、ハンジを頼む』
了解だ、とミケとリヴァイはハンジの両肩を抱える。
ハンジは少し気持ち悪そうに水…と呟くとミケは慌てて水を取りに行った。
『おい、ハンジ…ここで吐くなよ。あぁ、そうだ。エルヴィン…』
『どうした、リヴァイ?明日は頼むぞ』
『分かっている、そうじゃねぇ。エルヴィン、明日は壁外調査だ…羽目外すなよ。アイツも役に立たなくなるからな』
『知っていたのか。。はは、そんなすぐには手を出さないよ。私もいい大人だからね』
『…どうだかな。まぁ、忠告はしておいたぞ。ミケのやつ、遅いな…。俺たちはもう戻る』
ハンジ行くぞ、とリヴァイに引っ張られて歩き出す2人をエルヴィンは見送った。