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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第5章 ラクスド







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それからの事は余り覚えていない




白雪が寝不足と過労で倒れて…
すぐにオビが見つけた盗賊のアジトへ、皆と一緒に乗り込んでいって…


その時なんかゼンが言って
ミツヒデが嬉しそうに微笑んでいたっけ…



そう言えば盗賊に斬られた脇腹が、痛いな…



今日は後何をしたらいいんだっけ…?



真っ白な視界の中に薄らと
元気になった砦の兵士達が笑って手を振っているのが見える



そうだ。城に帰るんだ…
馬に乗らないと…



ああ、最後に寝たのはいつだっけ


最後に食べた物はなんだったっけ




「白雪殿、俺手紙書きます!」


「さや殿ー!どうかお達者でー!
手紙出してもいいですかー!?」


「バッカ!ミツヒデ殿に殺されるぞ」



未だからかわれるミツヒデが
顔を真っ赤にして何か返事をしている。

耳の中に膜が張られたみたいによく聞こえない




『またねー!皆ー!』




出来る限り大きな声で叫んだ肺が痛い


ひらり愛馬に乗り、街道を走り出す。


少ししたらゼン達とは別れて、オビと森の中を帰る予定だ



白雪に『用事があるから』と伝えて

街道を逸れ、森の中を進んでいく。


行きと同じで私はただオビを追いかける



今日はなんだか
愛馬の心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる




『っ……。』




木の幹を飛び越え派手に揺れる馬上

ぐらりと振れる頭を手網を握りしめて、引き戻す



風に揺れる木の葉が鬱陶しい
煌めく日差しが見えない視界を余計に照らして



(あれ……オビは、どこ…?)



日差しに目が眩んだ一瞬オビを見失ったと思えば

ドスンっと後ろに衝撃と重みが乗っかって




「うっと!……ちょっ!」




驚いた馬が前足を高く上げて

太陽の光が視界一杯に広がって
重力に逆らえなくなった頭が何処かに落ちるのを感じながら意識を飛ばした









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