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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第5章 ラクスド







「南の塔に様子を見に行って欲しいんだが
そんなに眠いなら、ミツヒデに任せようか?」



『なーに言ってんの!
私の仕事をミツヒデにあげる訳ないでしょ!

でも食事が作り終わるまで待って欲しい』



「ははっ、言うと思った。
わかった。じゃあ終わったら頼むよ」




にやにやしながら意地悪を言うゼンは
用事を伝え終わると調理場を後にした。


南の塔か、道はミツヒデに地図を書いて貰おうか


霧がかかったみたいに働かない頭




大方寝不足…
それとあの、薪のせいだ



薬も兵士に配ったら無くなってしまうし
寧ろ飲んでる暇もない



頭の中と同じように霞んできた視界に目を顰めながら
朝食用のバケットと、サンドイッチ用の食パンを切り落とす


私の唯一出来る料理


病み上がりな上人数も足りてない状況で
少しでも遅れを取り戻そうと働く数人の兵士達の為に

持ち運び出来るサンドイッチを
ここに来てからはよく作っている


3交替性にでもなったら本気で倒れそうだ




「あっ、さやさんがサンドイッチ作ってるぞ」


「まじか!俺あれ好きなんだよなー!
最近の楽しみはそれだけだよ本当!」




起き出した兵の騒ぎ声に
頬を緩ませ、急いで調理を進めた














馬に乗り、駆け
寒い北の大地を走り抜けていく。


南の塔は問題なかった。
皆元気そうに任務についていたし、噂の旅の一団も訪れてないとの事で

ほっと一安心。


ゼンに言われた通りに
旅の一団が薪を譲るなどと言ってきてもその薪は使わないように。

出来ればそれとなく目的地を聞いておく事を伝言し


私はすぐに砦へ戻った。

白雪がいるのだから大丈夫だろうと思いながらも
なるべく急いで馬を走らせラクスドの門をくぐり戻ると


ほとんどの兵が起き出し、雪かきをしていた







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