• テキストサイズ

【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第1章 生まれと出会い








さやは男が去っていったのを確認すると


店の扉の前にCLOSEの札をかけ
呆ける白雪を椅子に座らせた




「白雪…どうする?」


「どう…って…」


「…ゆっくり決めればいいよ
私も来いと言われちゃったからね

逃げるも行くも、一緒だよ」




下を向きぎゅっとスカートを握り締める白雪

そっとその艶やかな髪を梳くように撫でた


もう昔みたいに触れることもなくなった

可愛い妹の髪



成り行きの心配はしてない
白雪の心を心配している




「ごめんね…お姉ちゃんまで巻き込んだ…」


「いいよ。巻き込まれなくても
着いていくつもりだった」


「…っ…ありがとう…」




白雪の髪をくしゃりと撫でると
さやは白雪の為にお茶を1杯入れ

自分の部屋に戻った


あの子がどうするかは、わかってる


物語を知らなくても
20年も姉をやってればすぐにわかる




「やるべき事をやろう」




さやはクローゼットの前に立つと
必要な物を探り始めた




















コンコン -------





夕暮れ時、すっかり部屋の掃除も終わり

最小限持っていくものを決め終わると


控えめにドアがノックされた




「入っていいよ」


「…お邪魔します」




顔を出した白雪は何かを決意した表情で
小さい鞄を肩にかけていた


こんな時間まできっと私の事を含め

よく考えたんだろう





「…さあ、行こう。私達の次の物語へ」


「っうん…私達の道は私達が決める

バカ王子になんて従わない!」




ニコッと笑い合うさやと白雪


2人の意思は強く



夕暮れの空が暖かく、旅立ちを照らした









/ 59ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp