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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第5章 ラクスド








「ああ…だからオビがいなかったんだねさや」



『まあそういう事。ごめんね勝手して

オビちょっと遅いよ
大丈夫?怪我してない?』



眉を下げて申し訳なさそうに
木々に謝るとオビを窘める

オビはへらへらしながら、大丈夫だよと言って笑った



よかったオビが怪我をしたなんてなったら

自分で自分を許せないだろうし


さやは顔に出さないようにしつつ
オビの横顔を眺め、内心ほっと息を吐いた




「こ、この者は一体…」


「主の従者ですよ!」


「まだお試し期間だけどな」




得意げにそう言うオビにきっぱりと言い放つゼン

オビは笑いながら俺の手綱はあんたに預けたとか何とか
言ってゼンを困らせている
まあゼンも本気では困っていないと思うけど


未だ決めかねているんだと思う


内に湧く疑心と自分の見たものと
どちらを頼りにするのか



まあ今はそれより砦の様子も
出てきた兵の様子も明らかにおかしい


砦に入ろうとするゼンに兵士は
砦は、魔物に取り憑かれていると必死に止める




『(魔物、ね…)』




原因はわかっているが
白雪が突き止めることだし

私は物語に支障がないように動くしかない、けど



少しでも、白雪が
楽になる為に


オビを護れるように



1つずつ、やっていこう



これから忙しくなるぞ








『ゼン、私は兵士達の世話をするね』




兵士達が倒れている部屋に案内して貰ったさやは
兵士の話を聞いた途端、ゼンにそう声をかけた


ゼンは砦内を調査に出ようとしていた足を止め
不思議そうにさやを見た



「え?…まあ、かまわんが
お前薬とか作れるのか?」



『それは出来ないけど
これだけ何日も働けてないなら
薪も足りないだろうし、ご飯を食べる人もいる

するべき事はたくさんあるよ』



「…そうか
何か手伝える事があれば言ってくれ」




そう言ったゼンは穏やかに微笑み
ミツヒデ達を連れて、砦内の調査へ向かっていった




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