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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第5章 ラクスド








そんな事は露知らず

オビは鼻歌でも歌いそうな上機嫌さで
体を少し後ろに逸らす



「ちょーっと休憩
いやー、流石に体が鈍ってるね」


『(あれだけ走れて鈍ってるって…
化け物め)』


「さや嬢も少し休むかい?
手網、俺が代わろうか?」



後ろからさやの脇腹の辺りに腕を通し
手網を掴もうとするオビ




体が近くなって

オビの汗の匂いがふわりと香った


優しいライムのような
それでいてちゃんと男の香り



さやは顔を赤くすると
ぎゅっと手網を握り締め、強く引いた




「どわっ!さや嬢!
急に止めたら危ないですって!」



『オビ近い!降りて!』




オビは急に止まった馬に驚きながらも

とりあえず言われた通りに、馬から降りる


さやはオビのせいで
真っ赤に染まった顔を隠すように


オビに背を向けたまま馬から降りると

馬に提げた水袋から容器に水を移し馬に与えた




そんなさやの姿を後ろから見て
オビは困った顔で頬をかいた



「(うーん…さや嬢以外とウブだな

綺麗な外見だし、スタイルもかなりいい
なにより…男を惑わす雰囲気。

それなりに経験があると思ってたけど)」




見当違いだったかと
さやの様子を窺いみる


意外にも、耳まで赤くなった後ろ姿が…




とくん ------




突然、胸の奥がきゅっと掴まれるような
そんな感覚がした




『よしよし。
さっきはありがとうね

…ん?…なにオビ』


「へ…?ああ…な、なんでもないよ」




じっと見過ぎてたのがバレたのか
馬に話しかけていたさやが怪訝そうな顔で振り向いた


一体さっきのはなんだたったんだ


何だかわからないそれを
確かめるように胸の当たりを握り締めた







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