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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第1章 生まれと出会い








洗面台の鏡に眠そうな自分の顔が映る


桃色の長い髪がふわふわと揺れる

昔からくせっ毛でいつも巻いたように波打つ髪


嫌いじゃないけど
白雪の真っ直ぐで真っ赤な髪が


少し、羨ましい




「さやまだー?」


「はいはい…今行くって」




急いで身支度を整える

キツく髪を結って食卓につく


薬草をたっぷり使った朝食はいつも体に元気をくれる




「今日私の店を手伝ってくれない?

山に薬草を取りに行きたくて…」



「あーいいよ。店の準備をしておけばいいんでしょ」



「ありがとう!
ごめんね、朝早く起こして」



「いつもの事じゃない。気にしないで」




朝食を口いっぱい含んで
店の朝準備の工程を思い出す

今日は手伝いをしたらまた違う指南所へ行こう




「じゃあ行ってきます!」


「行ってらっしゃい」

















「いらっしゃい。お婆さん」


「あらー!今日はさやちゃんなのね!
白雪ちゃんは?
白雪ちゃんの見事な赤い髪が見たいわー」


「いつもありがとうね
もうすぐ来ると思うから、お茶でも飲んで」




店番をして少しすると
常連のお婆さんが店の戸をくぐってきた

白雪の髪が好きだと用もないのに
店に居座るこの人は、私には懐かない




「はい、どうぞ」


「どうもねー」



「ただいまー!
あれ、キノさんこんにちわ」


「白雪ちゃん!今日も綺麗ねー」




白雪が来た途端笑顔が変わるお婆さんに
さやはくすんだ思いを積もらせる


そりゃこの世界のヒロイン様だ

そっちの方がいいに決まってる



白雪はにこにこと笑顔で調薬を始める


お婆さんが鍋に火をつけたままだったと慌てて出ていく




「白雪、じゃあ私行くね」


「あ、うん。ありがとう!」




白雪に声をかけて戸口へ近付く

こんな醜い感情、剣を振って忘れるに限る


私だって白雪が大好きだ


キャラクター以上の気持ちと
家族として過ごしてきた絆がある













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