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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第3章 巳早からのオビ








『さあ、ミツヒデに何て言おうかな』


「誰に、何を言うんだ?」




白雪達の背中を見送って
資料室に戻ろうと後ろを振り向くと


笑っているようで笑っていないミツヒデが

すぐ後ろに立っていた


恐ろしい笑みを浮かべながら
じりじりと近付いてくるミツヒデに

さやは1歩ずつ後ろに下がる、が



「何で逃げるんださや?
後ろはすぐ門だぞ?」


『あ、ははー…

も、門番!助けて!』




当然後ろは門で…。


ガシャンと門に背をつけ
門番に助けを求めてみるが、憐れみの目で返された



迫るミツヒデ



も・う・逃・げ・場・が・な・い・!




『…ご、ごめんなさい』



潔く頭を下げ、両手を差し出す

きっとこれからミツヒデにこんこんと叱られるのだろう

いや、行き先も聞かずに
ゼンを行かせた私が悪い


さあ、煮ようが焼こうが好きにするがいい!


ビクビクしていると、首の後ろを捕まれ
そのまま引き摺るように連行された



「まずは側近しての心構えをしっかりと叩き直す

その後
ゼンの分まで仕事してもらうからな」


『…ブラックミツヒデ』


「何か言ったか?」


『いえ何でもありません隊長!』




こちらを見るミツヒデの顔が恐ろしかったので
敬礼をしながら大人しく引き摺られる


ああ…

2人を邪魔してでも行けばよかった…


もう姿は見えない2人を羨ましく思った
















ミツヒデに説教を受け

ゼンの分の仕事の資料を全て掻き集め
こちらで処理出来る書類は全て処理した


木々はこっそり手伝ってくれたが
ミツヒデが余計な仕事までどんどん回してくるので

終わるのにいつもより2時間多くかかってしまった




「戻ったぞ」


『ゼン!遅いよー!疲れたよー!』


「おわっ!す、すまんさや」



ゼンが執務室に入った途端
もう勘弁してくれとばかりにゼンに飛び付くさや

ここだけが安全地帯である

助けろ、ゼン


3人で執務室に残っている状況
さやの普段とは違う行動に
今日がどういう1日だったか悟るゼンはさやの髪を優しく撫でた







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