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【オビ】追い続ける【赤髪の白雪姫】

第3章 巳早からのオビ







それからしばらくして





クラリネスに私達、姉妹は住居を移し


白雪より1歩先にさやは衛兵試験を受け



その中ゼンにある誓いをたて



衛兵試験第三位の成績をもってして




"第二王子付き 騎士見習い"の身分証明書を手にした










白雪とは住居を別にして
もう少し経つ。



初めて白雪と別れて過ごし

さやは一抹の寂しさを感じていた




ゼンの執務室は暖かい


さすが第二王子の部屋と言うべきか


ソファもふかふかで、心地いい




「こーら、さや」



『あいてっ』



「いつまでサボっているの」




ミツヒデにはたかれた頭をすりすりと撫でる

さやのやる気が持ったのは
最初の数日


それこそ雑用から剣の相手までなんでもこなし

ミツヒデや木々も
感心して褒めてくれていたのだが


ここの所は段々ソファの魅力に
取り憑かれるようになってしまった




『はーい…ごめんなさい』


「資料室に行くから
さやも着いてきて」


『うん、そろそろ資料の場所覚えないとなー』




木々に促され
ソファから飛び上がるさや

それは無謀だってと笑うミツヒデに
じゃあ後でと手を振り、木々と資料室向かった


木々は楽しそうに色々な話をする
さやを横目で眺める



さやは正直頑張りすぎている


うたた寝してしまうのは
兵の朝稽古に参加してたからだし


ほんの数日で城内の地図は頭に叩き込んで
内装まで覚えようとしてる


何度か紙に色々なメモをとっているのを見たし





「さや、頑張り過ぎないで」


『ん。ありがとう』




木々にそう声をかけられ
足を止めるさや


姉のような人だ

出会って間もないが
木々といると心地いいな…


すると木々の後ろに
窓から飛び出し走り去るゼンが見えた



『あ、ゼン!
ちょっと何処に行くつもりー!?』


「え、ゼン?
ちょっとさや…あーあ」



ゼンを追いかけ走っていくさや
木々はほっとけばと言いそびれ
もう背中が小さくなったさやを見送った







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