第3章 The world is mixed
「ディスペルマジック」
チェンジリングの魔法により身体と精神が入れ替わりフェアリーテイル内がガヤガヤと解呪を求めて騒ぐ中、凛とした声が響く。すると、ギルドは白い光に覆われ皆の体を包んだかと思えば視界が開けた時には元に戻っていた。
「「「「「やったー!!もどった!!」」」」」
「…わしのナイスバディが」
「まだかかってる人はいない?」
魔法が解けて各々涙を流したり、抱き合ったりしながら元の姿に喜ぶ。若干数残念がる者もいるが。
魔法を解いた張本人は全てを戻せたことにほぅっと息を吐き、医務室に戻ろうとする。それをミラが逃がすまいと手を掴み、近くの椅子に座らせた。
「「「「「今日は俺達の奢りだ!!ありがとう!!」」」」」
テーブルの上に次々と食べ物が乗せられていく。山のように積まれていく食事にノエルはこんなに食べられないからと逃げ出そうとすれば、ならば私も頂こうとエルザが席に着き他女性陣もそれに習って座り出す。
「いいんですか!!私もお邪魔しちゃって」
遠慮する新人のルーシィにもいいのいいのとカナが半ば強引に座らせ、給仕のミラとキナナ以外の女性メンバー全員で食べる事となった。
「そう言えばずっと聞きたかったんですけど、ノエルさんは普段何をしてらっしゃるんですか?」
ルーシィのざっくりとした質問に皆が笑い出す。
「ルーシィが知らないのも無理ないわよね」
飲み物のおかわりを持ってきたミラがノエルの方を見れば、諦めて口を開いた。
「私は普段怪我人や病人が居ない時は薬を作ってたりするわ」
「ノエルの薬は凄いのよ!良く効くから評議員の中にも通ってる人がいるの」
「だからフェアリーテイルは私のお陰で解散させられずにすんでるのよ」とノエルが冗談混じりに言えば「それは全然過言じゃないの」とミラが真剣な表情で言うものだからルーシィは改めてフェアリーテイルは近くで一緒に話している人でも、やっぱり凄い人がいっぱいいるのだと心に刻みつけた。
後日、ミラの書庫の整理の手伝いの途中にルーシィが見つけたハッピー誕生の時に描かれたリーダスの絵。
「ねぇ、ミラさん」
「なぁに?」
それを見ながら質問をしてくるルーシィに返しながらミラは思い出に耽ける。懐かしさに自然と笑みが零れた。