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【R18】割れたリンゴ【FAIRYTAIL】

第3章 The world is mixed


2人の言い争いに周囲が気づき始めると、もういいとラクサスはS級しか上ることを許されていない2階へと上がり、ノエルも医務室へと戻っていく。

誰も2人にアドバイスが出来ないのが問題だった。カナはせっかく篭もりがちなノエルを外に出せたのにとラクサスに文句を言いたかったがそれすらも出来ないのだ。

カナはノエルと飲むはずだった酒を抱えて1人で煽り、近くにいたラキに愚痴ることでこのストレスを発散させるしかなかった。

ラキが「何であんなになっちゃったんだっけ?」と言えば、人の恋路の話は楽しいのかカナは嬉嬉として語り出す。

「あれは6年前…。ラクサスがS級試験に合格した時の話よ」

S級魔導士の試験は毎回内容が異なるがその年はパートナーを1人選び2名1組にて出場するもので、ラクサスは真っ先にノエルに声を掛けにいけば間髪開けずに断った。

カナがそうざっくりと話すと、ラキは首を傾げる。

「それの何処にあんな空気になるところがあったの?ノエルが外に出ないなんていつもの事でしょ?」
「そうね…。今はね」

タイミングが悪かったのだとカナはごちる。その少し前まではノエルも外に出ていたし、ラクサスが呼べば必ずついて行っていた。またちょうどラクサスの父、イワン・ドレアーの破門の件でごたついていてラクサスはヤケになっていた。だからノエルの拒絶が余計胸に来たのだろうとカナは言う。

ラキはその内容に顔を歪め「そんな捻れてたの!?」と話しちゃダメなやつじゃないのとカナに言うが、カナは話したところで誰も2人に言えないでしょと悲しそうに笑った。

ノエルは変わるつもりがないし、ラクサスは分かっていても今更態度を元に戻すことが出来ない。

今までカナは勿論のこと、マカオやワカバ、あのグレイやナツまで気を使って手を尽くしたがダメだった。結局は当人達次第なのだから。

ラキは2人のいなくなって行った方を見つめ、あーともうーとも言葉になっていない奇声を発して頭を抱えた。カナを見る目はなんてものを教えやがったんだと鋭い睨みを効かせている。それをカナが見て愉快そうに笑い、

「ワハハ、めんどくさいだろー。焦れったいだろー!!」

どうせ何も出来ないから飲め飲めとカナにジョッキを渡されれば、ラキもヤケになって一気飲みするしかなかった。
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