第11章 標的11 風紀委員長
「ヒバリにたてついたのが悪いんじゃない。ヒバリの恋の邪魔をしたからこうなったんだ」
「うう……」
風紀委員のメンバーによって校庭に投げ捨てられた男子生徒3人。
少年達は雲雀に容赦なくめった打ちにされたらしくボロボロだった。
―――会議室。
がらん、と静まり返る室内。
ここには雲雀しかいない。
風紀委員長のあまりの恐ろしさに 他の生徒達は会議を切り上げ退散していた。
雲雀は己の邪魔をする者がいなくなったことに満足すると、再びリボンに視線を向ける。
「綾里……」
雲雀が切ない声で呟く。
―――そう、雲雀が手にしているリボンは、あの時綾里から貰ったクッキーの袋に結ばれていたものだった。
もちろんクッキーは全て1人で美味しく食べてしまった。
けれど、リボンだけは捨てずに 夏休みが明けた今も肌身離さず大事に持っているのである。
「……早く、放課後にならないかな」
雲雀はリボンにそっと口付けを落とした。
「雲雀恭弥。面白ぇーな」
―――雲雀の様子を双眼鏡で伺う赤ん坊の存在に気づかずに。