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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第10章 標的10 お医者さん


シャマルは再び平然と立ち上がると、どこか嬉しそうに、からかうように笑う。

「キスだけでそんなに慌てちゃって可愛いな~。オジサン、ますます好きになっちゃった」
「~~~っ!!!」

綾里はむっとした表情で、シャマルをぽかぽかと叩く。
彼女は一生懸命怒っているつもりなんでしょうけど……綾里さん、それ……肩叩きになってます。

「どうせ私はお子ちゃまですよ! それが何か!?」
「悪かった、悪かった。―――でも、ここはお子ちゃまじゃないと思うぜ?」

シャマルは両手を綾里の前に持っていくと、

ムニュ

綾里の胸を掴んだ。
シャマルは予想以上の膨らみに感激の声を上げる。
この男は触るだけでは飽き足らず、なんと今度は揉み始めたではないか。

「おお、綾里ちゃんは着痩せするタイプなんだな~。
10年後が楽しみ―――ん? 何だ?」

冷房は入れてない筈なのに、寒気がする。
シャマルは何やら凄まじい殺気を感じ、視線を向け―――固まった。

ザアアアアアア!!!!

室内の筈なのに、ブリザードが吹き荒れている幻覚が見える。
それをバックに仁王立ちしているのは、口元は笑っているけれど目が完全に笑っていない少年―――綱吉だった。
優雅に手を組むその姿は、例えるなら魔界の皇帝のよう。

綱吉はゆっくりシャマルの近くまで歩み寄ると、ニコリと笑う。
明らかに尋常ではない空気にシャマルの背筋が凍った。

「……シャマルさん、でしたっけ? オレのドクロ病、治してもらえます?」
「わ、わりーけど、男は診ね―――」
「ハッ、お前に拒否権があると思うわけ? ―――さっさと、治せよ」
「はい、喜んでっ!!」

―――こうして魔王様は無事、不治の病を治すことができたのでした。
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