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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第9章 標的9 Let’s ボクシング!


……今、この子 何て言った?

一瞬にしてシンと静まり返る室内。
綱吉達をはじめ、その場にいた他のボクシング部員でさえも 動きを止めている。
そんな中、唯一了平だけが困ったように頭を掻いた。

「すまんが綾里、ウチは女子の入部は認めておらんのだ―――どうして入りたいと思ったんだ?」

綾里は迷いなくただ前を見据えて言い放つ。

「強くなりたい。 守りたいんです、皆との日常を」
「!!」

強き光りを宿したエメラルドの瞳が 了平を この場にいる者の心を 鷲掴みにした。
何が彼女をそうさせるのかは分からない。
けれどその瞳はなんて真っすぐで清らかなのだろうか。
了平は片手で握り拳をつくるとガッツポーズをした。

「綾里、お前の熱き魂に極限に惚れたぞ!!
オレがボクシングで顧問や校長に女子も入部できるよう お願いしてみるからな!」
「わぁ、ありがとうございます! 了平さん!」
「オレに任せておけ!」
「はい!」

「「「「「…………………………」」」」」

すっかり2人だけで盛り上がっている中、少年少女達は想像した。
ボクシング部に入部した綾里の姿を。

『ねえ、皆、みてみて!』

綾里がとてとてと可愛らしい足音を立てて現れる。
少女は得意げに自分の腕を見せつけた。

『筋肉、ムキムキ! 凄いで「うわああああっ、やめてくださいいいい、綾里さんん!!」

獄寺の悲鳴に近い叫びに、了平を除いた他の者達が心の中でぴったりと同調した。
獄寺はショックのあまり気を失ってしまう。

「そ、そんな、私の綾里ちゃんがマッチョ!? い、いやああああ!!」
「ああっ、京子ちゃん、気を確かに!! それと綾里はまだ京子ちゃんのものって決まってないからね!」

倒れた京子を綱吉が慌てて支えた。
もちろんツッコミを入れるのも忘れない。

「極限心配ないぞ! さっきも言ったではないか、オレがボクシングで顧問と校長にお願いすると!!」
「……先輩、それってお願いじゃなくて脅迫って言うと思うのな」

山本が苦笑した。
頭痛がしているのだろうか、山本は片手でこめかみを押さえている。
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