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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第9章 標的9 Let’s ボクシング!


綱吉は交互にツッコミを入れていく。
もはやツッコミ担当と化している綱吉の本領発揮だ。
リボーンはいつものように何かを企んだような笑みを浮かべる。

「オレは新入部員と主将の綾里をかけたガチンコ勝負が見たいぞ」
「んな! 何言ってんだよ! おまえオレにボクシングやらす気か!?」
「あたりまえだ。もっと強くなりやがれ」
「……自分で言うことじゃないけど。今のオレ、前と比べれば成長した……と思うよ?」

綱吉が言わんとしている事をリボーンは分かっていた。
リボーンが現れてからというもの、綾里を狙う強敵が次々と増え 綱吉は綾里に相応しくなれるよう努力するようになった。
敵いそうにもない強面の相手でも綾里を守る為なら立ち向かうようになったし、
弾なしで死ぬ気になろうとしていた時はリボーンも驚いた。
今まで綾里の幼馴染であることだけ満足して 何をするにも諦めていた綱吉にとって、これは大いに成長したといえるだろう。
けれど、それだけでは駄目なのだ。
今のままでは いずれ…………

リボーンはいつになく真剣な眼差しで綱吉を見つめた。

「もっとだ もっと強くなれ。 でないと アイツには勝てねぇ」
「うむ、事情はよく分からんが オレとのスパーリングは沢田の実力を計るいい方法かもしれない」
「え お兄さんまで ちょ まってくだ……」

綱吉がそう言いかけた時だった。

「ツナ君 がんばってー!」
「負けんなよ」
「10代目~~!」
「な みんなきてるーっ」

何処で噂を聞きつけたのだろうか、いつの間にか京子・山本・獄寺の姿があった。
綾里の付き添いで来ただけだというのに、どうして自分がボクシングをすることになっているのだろう?
綱吉が途方に暮れていると、

「あの、了平さん! お願いがあります!」

綾里が体の前で ぎゅっと手を組んだ。

「何だ?」

了平は優しく聞き返した。
この少女が自分に頼み事をするのは珍しいことだ。
綾里は想い人であるが、妹のようにも思っている。
自分に出来ることなら叶えてやりたい。
暫しの沈黙の後、綾里は決意した表情になる。

「私をボクシング部に入れてもらえないでしょうか!」
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