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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第9章 標的9 Let’s ボクシング!


ふと、綱吉は了平の言った 【妹】 という単語がひかかった。

「お兄ちゃーん」
「どうしたキョーコ!?」

遠くから可愛らしいソプラノの声が聞こえてくる。
それは馴染み深い少女のものだった。
綱吉は吃驚して綾里を見る。

「綾里、まさか妹って……」

綾里はイタズラっ子のようにクスリと笑った。

「うん、そうだよ。 親友の京子ちゃん!
お兄さんの了平さんとは京子ちゃんを通じて知り合ったの」
「へ、へぇ……」

綱吉が衝撃の事実に驚いていると、どこからともなく通学鞄が飛んできて それは見事に

ドゴォッ

了平に直撃した。

「「!?!?」」

ぱたり、と倒れる了平。
唖然とする綱吉と綾里。
2人は後ろを振り返った。
そこには―――

「ごめんね、お兄ちゃん!手がすべっちゃった」

にこにこ、ひまわりのような愛くるしい笑みを浮かべた京子の姿があった。
邪気がないのが余計に恐ろしい。

「あ……綾里ちゃん、ツナ君おはよ!」
「おはよう!」
「お、おはよう、京子ちゃ……京子さん」

笑顔で挨拶する綾里に対し、綱吉はどこか気まずげに言った。
天然な幼馴染を守る為 真っ黒な性格になりつつある綱吉が 【魔王】 と恐れられるなら、
京子は純粋なまま邪気を祓う 【女神】 といったところか。
つまり綱吉にとって京子は 綾里を狙う恋敵の中でもトップクラスに入るくらいの強敵なのである。

「あ、あのね、京子ちゃん。 了平さんが……」

綾里が控え目に口を開いた。
京子は倒れている了平を見て、綾里に視線を戻すと これまたにこりと笑った。

「お兄ちゃんったら、カバンの中にうっかり鉄アレー入れてたみたいで クリティカルヒットしちゃったみたい。でもお兄ちゃんだから大丈夫だよ、心配しないで!」

どこにそんな根拠があるのですか、京子様!?
―――だからさっき あんなにいい音がしたのか……。
というか、そんな凶器が入った物を容赦なく実の兄に投げつけるって、貴女様は一体……

心の中でツッコミまくる綱吉。
本当に口に出したら彼女の反応が怖いので それは心の中に止めておくことにする。

「いつもすまんな、京子」

了平は鞄を手に何事もなかったかのように立ち上がった。

ほんとどうなってんの、笹川兄妹っ!?
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