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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第9章 標的9 Let’s ボクシング!


「……ん……ふぁ……っ」

カーテンから差し込む光に綾里が身動ぎした。
うっすらと開かれた少女の瞳が陽の光を受け、エメラルドの様な輝きを宿す。
綾里はゆっくりベットから起きると、傍らの目覚まし時計を手にし―――固まった。
針が示す時刻は―――8時15分。
一気に眠気が覚めた綾里は、慌ててベットから飛び下りた。

「大変っ!!」

これが8月なら安心できたというのに。
楽しかった夏休みは昨日で終わり、今日は始業式なのである。
綾里は素早く制服に着替えると、鞄を手にし 隣の部屋へと急いだ。
まだ寝ているであろう幼馴染―――綱吉を起こすのは彼女の日課なのだ。



***



「綱吉、起こすの遅くなってごめんね」

綾里が申し訳なさそうに表情を曇らせる。

「綾里は悪くないよ! 1人じゃ中々起きれないのが悪いんだし。それに 昨日遅くまで綾里をゲームに誘ったのはオレだから。 ほんとゴメン!」
「ううん、私だってゲームが楽しくて夢中になってたもん」
「いやいや、オレが―――」
「私が―――」

そんなやりとりを繰り返して、綾里と綱吉は互いの顔を見合わせて笑った。

「おい、お前達。 そろそろ行かねぇと本当にマズいんじゃねぇか」

2人の様子を微笑ましげに見守っていたリボーンが、早く学校に行くよう促す。
綾里は困った表情をすると、

「どんなに急いでも、もう間に合わないよね……」
「綾里、悪いけどオレの鞄持っててもらえる?」
「うん、いいよ」

首を傾げた綾里だったが、素直に綱吉の鞄を受け取る。
綱吉は一言「ちょっとゴメン」と言うと 、綾里を横抱きにした。

「えぇっ!? つ、綱吉、私重いよ、おろして!」

顔を真っ赤にして慌てる綾里。
綱吉はクス、と微笑む。

「大丈夫、むしろ綾里はもっと食べないと―――絶対に落としたりしないけど、しっかりオレにつかまってるんだよ?」
「?う、うん?」
「―――リボーン、いいよ やって」

真剣な表情の綱吉が合図を送る。
リボーンは頷き愛銃を彼に向けて、

死ぬ気弾を撃った。
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