• テキストサイズ

青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第2章 標的2 転入生


「綱吉、どうしたの? 何だか機嫌悪いけど……」

綾里が心配そうに綱吉を見る。
自分の為に心配してくれる その表情を見て、綱吉は愛しげに目を細めた後、優しく微笑み返した。

「ごめんさっきの転入生のことでさ。目があっただけなのに机蹴られたし、あーゆーノリ ついていけないなって」

と、その時、反対側から来た男子生徒と綱吉がぶつかった。
接触した男子生徒は他に2人の男子生徒を連れて歩いている。
相手はいかにもガラの悪そうな―――3年の不良達だ。

「おー いて。 骨折しちまったかも」
「失礼ですが、先にぶつかってきたのは先輩―――」

一見大人しそうな綾里だが こうみえて気が強い。
先輩相手に立ち向かおうとする綾里を綱吉が止めた。
綱吉は庇うように綾里の前に立つと ゆっくりと男子生徒達の近くまで歩み寄る。

「綱吉……?」
「あ、やんのか?」
「…………」

普段の綱吉なら怯えて逃げるところだが、今日の綱吉はすこぶる虫の居所が悪かった。

「……お前達の首、へし折ってやろうか?」

低く、殺気がこもったドスのきいた声。
一体誰が ひ弱そうな少年から闇の帝王のような声が出ると想像できただろうか?
とにかくそれは不良達を怯えさせるのには十分だった。

「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「本っ当すみません!!」

一目散に逃げていく男子生徒達。
もちろん綱吉が言ったことは綾里には聞こえていない(聞かせない為に男に近づいた)

「綱吉、先輩達に何て言ったの?」
「ん? オレの可愛い綾里に近づくなって」
「!?っも、もう! またからかって!」
「からかってない、本当のことだし」
「~っ!!」

おいおい、何だこのバカップル。
近くにいた生徒達はそう思ったに違いない。
誰も手が出せない、何だこの妙に甘い空気は。

「ちょっとはやるじゃねぇか」

……いや、1人手を出した者がいた。
/ 148ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp