第2章 標的2 転入生
並盛中学校1-Aクラス
そこでは朝のHRが行われていた。
本来なら担任が来てすぐに連絡事項の話になるのだが、今日はいつもと少し違っていた。
―――クラスに転入生が来たのだ。
「イタリアに留学していた 転入生の獄寺隼人君だ」
痛んでいない、綺麗な銀髪、モデルのような体型。
転入生の彼は射抜くような鋭い眼差しを綱吉に向けている。
「ちょ……かっこよくない~?」
「帰国子女よ!」
美形の転入生にクラスの女子が色めき立つ。
それを見た綱吉は、
(ふう~ん女子ってああいうのがいいんだ~)
「はっ! 綾里!」
咄嗟に自分の隣に座る綾里を見る。
綾里はというと、
(あの転入生、綱吉のこと睨んでる……でも、なんでかな? なんだかとっても懐かしい……)
ぼ~っと転入生を見つめていた。
(……ッチ、気にくわねぇなあの転入生)
綱吉が心の中で毒を吐い……嫉妬していると、転入生がギロッとよりいっそう険しい表情で綱吉を睨みつけた。
それが気に触ったのか綱吉も負けずに黒い笑みで対抗する。
「なんだよ(綾里に視線向けられてんじゃねぇよ)」
綱吉の予想外の反応に少しビクッとなる転入生。
近くにいたクラスメイトは思った。
男の嫉妬って恐ろしい……!