第7章 標的7 夢見る乙女
「たすけ……ゴボッ たすけてぇーっ!!」
「……ッ」
ドクン
ハルの叫びに綾里の心臓が高鳴った。
「や……やばいよ!―――綾里?」
「綾里さん、どうしたんですか?」
綱吉と獄寺が綾里を見ると 彼女はハルをじっと見つめていた。
すると綾里の瞳が微かに蒼く輝き出す。
綾里はすう、と息を吸い込んだ。
「水の神精霊(ジン)よ、我が呼びかけに応えよ」
凛とした強き意思が宿った声。
綾里が声を発した瞬間、空気さえも清く澄みわたる気がした。
「綾里、力を使うな。 オレに任せろ」
「!リボーンさん!!」
「リボーン!!」
リボーンは現れるなり銃を構える。
そしていつものごとく綱吉に死ぬ気弾を撃った。
―――と、思われたが。
「死ぬ気でハルちゃんを助けます!!!」
「はひ!? 綾里ちゃんっ!?」
撃たれたのは綾里だった。
たちまち下着姿になった綾里は勢いよく川に飛び込む。
死ぬ気の綾里はもの凄いスピードで泳ぎハルの元に辿り着くと、彼女を横抱き―――お姫様抱っこをした。
「私につかまりなさい!!!」
……どうやら綾里は死ぬ気になると敬語になるタイプらしい。