第7章 標的7 夢見る乙女
「ほぅ! あちょー!」
スティックをブンブンと振りまわすハル。
綱吉はニッコリと笑った。
「ねぇ、いい加減にしてくれる?オレが他人からどう見られてるか知らないけど、魔王じゃないって何度も言ってるよね?それに 『黒魔術的な何か』 って何さ?そりゃあオレは、死ぬ気弾とか死ぬ気弾とか死ぬ気弾とかで 他とは少し普通じゃないよ?けど……それがどうかした?」
「何訳の分からないこと言ってるんですか!」
「お前に言われたくない」
言い争いながらも攻防を繰り広げる2人。
綾里はハルを止める為、彼女が手に持つスティックを切ってしまおうとチャクラムを構えるが、対象があまりにもよく動くので なかなか狙いが定まらない。
もし失敗してしまったらハルや綱吉を傷つけてしまうことになる、それは決してあってはならないことだ。
(どうしよう……)
綾里が途方に暮れた その時。
「10代目、綾里さん さがってください!」
颯爽と現れたのは―――煙草をくわえ、ダイナマイトを手に持った獄寺だった。
獄寺は躊躇いもなくハルに向かってダイナマイトを放つ。
「果てろ」
「隼人、ダメ!!」
綾里が慌てて獄寺を止めようとするが、間に合わず。
橋の上で爆発したダイナマイトの爆風がハルを川に吹き飛ばした。
「ハルちゃんっ!!」
「あ~~~あ落ちちゃったよ!」
「これでもう大丈夫です」
顔を真っ青にして橋の下を覗き込む綾里と綱吉。
獄寺はフーッ、と煙草の息を吐いた。
「ブハッ なんであんなもん持ってるんですかーっ (!ヨロイが……重くて……泳げない!)」
普通の衣服でさえ泳ぐのは困難なのに 彼女が着ているのは最悪にも鎧。
浮かぶことすら難しい。
ハルは必死にジタバタともがく。