第1章 標的1 幼馴染と家庭教師
夜空に星が輝く頃。
「どーしてくれんだよ!」
綱吉の部屋に怒声が響く。
さっきの一件は、綾里に告白が出来ない綱吉に家庭教師―――リボーンが仕掛けたことだった。
やらかしてしまった事態に綱吉は青褪め頭を抱える。
「もう街歩けないよ! それに綾里とは一緒に住んでんだぞ!? どんな顔で会えば―――」
コンコン
『綱吉、入るよ?』
早速来たっ!?
綾里はフリルがついた淡いピンクのパジャマ姿で、その上に白のカーディガンを羽織っている。
可愛いな……そうじゃなくて!!
「あの、綾里! さっきのはその……っ」
「大丈夫、死ぬ気弾で撃たれたからあんな風になっちゃったんだよね? それより……お久しぶりです、リボーンさん」
「会いたかったぞ、綾里」
「!!綾里、コイツと知り合いなの!?」
予想外の展開に混乱する綱吉に綾里は優しく微笑む。
「慌てないで、ちゃんと説明するから。ほら、私のお父さんイタリアに仕事に行ってて 年に何回か私、イタリアに遊びに行くでしょ?リボーンさんとはそこで知り合ってマフィアのこととか色々教えてもらったの」
それから綾里は死ぬ気弾の事、ボンゴレファミリーの事、綱吉がボンゴレファミリーの10代目後継者だと言う事を説明した。
一通り説明が終わるとリボーンは満足そうに綾里の膝の上に座る。
「完璧だぞ、さすが俺の嫁だ」
「はぁっ!? よ、嫁っ!?な、何だよそれ!!」
「何だも何も 綾里はいずれ俺の妻になる女だぞ」
「あはは、リボーンさんは貰い手のいない私にそう言ってくれてるだけだよ」
「……まぁ、今はそういうことにしておいてやる。
―――おい、ツナ、さっきはチャンスをやったがお前には負けねぇぞ」
「う、嘘だろーっ!!」
ニヒルな笑みを浮かべて宣戦布告をする赤ん坊。
この日、綱吉に新たな家庭教師と恋のライバルができたのであった。
END