第7章 標的7 夢見る乙女
公園から水に濡らしたハンカチを持ってくるなり綱吉とハルは 勢いよく謝りだした。
「綾里、オレを庇ったせいで ほんとごめん!代わりにオレを殴って、何なら飛び蹴りでも何でもくらうから!」
「綾里ちゃんを叩いちゃうなんて、最っ低です!!ご両親に会わせてください、ハル、挨拶に行きます!!」
「あの、私本当に大丈夫だから……」
頬をハンカチで押えながら、困ったように笑う綾里。
だが暴走してしまった2人はそう簡単には止まらない。
「何、 『綾里をお嫁さんにください』って言う訳?ハッ、オレを倒してから言えよ」
「女の子の顔に傷をつけたんですから責任をとるのは当たり前です!っていうか、さっきから何なんですかブラックなオーラ出して!!綾里ちゃんは真っ白なハートをもった天使なんですよ!!あなたはそんな いたいけな純情をデストロイですか!?」
「日本語喋ってくれる?―――でも真っ白な綾里をオレ好みに染めるのも悪くないかもね」
「はひっ!? ついに本性現しましたね!!」
(もうギュっとするのは後まわしです! 私が綾里ちゃんを守らなきゃ)
(かかってこいよ……!)
もの凄い表情で睨み合うハルと綱吉。
今まで傍観していたリボーンは、
「綾里、帰るぞ」
「腹が減った」と、家に帰ろうとするリボーン。
綾里は慌てた。
「放っておいていいんですか!?」
いつもぽややんと天然な綾里でも、さすがに2人の様子が尋常じゃないことに気づいたらしい。
リボーンはニヤッと笑う。
「あいつらなら心配ねぇ。 夫婦みたいに仲良しだからな」
「それは無理がありますリボーンさん!!」
綾里の叫びが木霊した。