第6章 標的6 ポイズンビューティー
『イタリアンピザでーす……』
「! ピザ? 母さんが頼んだのかな?」
「奈々さんなら用事があるみたいでさっき出掛けたよ。 あ、私が出ようか?」
「いいよ、オレが行く。 最近変な奴が多いし」
綱吉は自室を後にし、階段を下りて行く。
玄関のドアを開けると―――先程出会った美女がいた。
女性はピザの箱を手にニコリと微笑む。
「お待たせし―――」
バタンッ!!
綱吉は即行でドアを閉めた。
再びチャイムが鳴り出す。
『ちょっと何―――』
「すみません、電話かけ間違えたみたいです。 だからお引き取りください。ついでに息も引き取ってくれると嬉しいんですけど」
『開けなさい!!』
「嫌だ、帰れ」
互いにドアノブを引っ張り合う2人、外と中の攻防戦だ。
相手は女性とは思えない力で開けようとするが、綱吉だって負けてはいない。
するとそこへ騒ぎを聞きつけた綾里とリボーンが現れる。
「綱吉っ、どうしたの!?」
「心配しないで、綾里。 お前はオレが守るから」
優しく微笑まれ、頬を赤くする綾里。
彼の額をよく見ると微かだが、ゆらりと燃える炎が見えるではないか。
リボーンは驚いて目を見開く。
「ツナ、お前……撃たれてないのに、死ぬ気になりかかってんのか」
「オレ綾里の為ならいつだって死ぬ気になれるよ」
すげぇな、おい。
「―――ツナ、中に入れてやれ。そいつはオレの昔の殺し屋仲間だ」
その言葉に綱吉は仕方なく扉を開けることにした。