第5章 標的5 入ファミリー試験？

リボーンに放課後、プールに来るよう呼び出された綱吉と綾里。

「っつーわけで獄寺を納得させるためにも 山本の 【入ファミリー試験】 をすることにしたんだ」

何故か帽子をしたまま、浮き輪を着けアイスを片手に水面にプカーッと浮かぶリボーン。
レオンはアヒルの着ぐるみ姿で、近くに浮かぶトレーには豪華な飲み物とデザートが用意されている。
「これどうしたんだよ！？」と綱吉が聞くと、彼は 「綾里に作ってもらったんだぞ」と笑った。

「オレが納得できーん！！ 何勝手に決めてるんだよ！
ってか勝手に学校のプール入んなよ！！山本はクラスメイトだぞ！友達だぞ！それに野球で忙しいんだ！ おまえ達の変な世界に巻きこむなって！」

台に座り、怒鳴る綱吉。
綾里は深刻そうに顔を曇らせている。 それをリボーンは見逃さなかった。

「んな事言って、綾里の恋敵が入るのが嫌なだけだろ」
「そうだよ」

一瞬 肩をビクッと震わせた綱吉だったが、きっぱりと素直に認めた。
綾里が「恋敵？ 私がどうかしたの？」と首を傾げるが、慌てて綱吉が「なんでもない！」と話を逸らした。

「―――綾里、お前はどう思う？」

リボーンから話しを振られた綾里は、体の前でぎゅっと手を組むと真剣な表情で口を開く。

「私も反対です」

マフィアの道はとても危険だ、平穏な日常生活を送っている彼を巻き込みたくないと 綾里は悲しそうに微笑む。
リボーンはそんな彼女を切なそうに見つめると、すぐに元に戻りニヤリと笑った。

「……そうか、悪いな―――もう獄寺に山本を呼びにいかせたぞ」

この一言で、綱吉と綾里は慌ててその場を去って行った。