第1章 標的1 幼馴染と家庭教師
「あっ!」
「オレの勝ち!」
「も、もう1回勝負しよう!」
「あはは、綾里はホント負けず嫌いだね」
帰宅後、部屋でテレビゲームをする綱吉と綾里。
綾里はオレの家に同居している。
母親のあかりさんは綾里が小さい時に亡くなって、父親の聖(ひじり)さんはイタリアで仕事をしているからだ。
しかも部屋はオレの隣。
京子ちゃんと並ぶ学園のアイドルと一緒に住んでるなんて、優越感感じるな……。
オレが幸せに浸っていると母さんが部屋に入ってきた。
何でもオレの将来に関することで話しがあるらしい。
オレの邪魔をしたら悪いからと言って綾里は自分の部屋に戻ってしまった。
……っち、オレと綾里の邪魔しやがって。
「家庭教師!?」
「ポストに面白いチラシが入っててね」
青褪める綱吉とは対照的に奈々は笑いながらチラシを見せた。
チラシには、
お子様を次世代のニューリーダーに育てます
学年・教科は問わず リボーン
「ステキでしょ? こんなうたい文句見たことないわ」
「うさんくさいよ!」
すっかり乗り気な奈々にすかさず綱吉がツッコんだ。
「きっと凄腕の青年実業家庭教師よ! 母さんこういう先生に見てほしかったの」
「勝手にイメージつくんなよ!」
「オレ家庭教師なんてぜってーヤだからね!」
見知らぬ家庭教師なんかに綾里との時間を邪魔されてたまるか!
不貞腐れる綱吉。
「ちゃおっス」
どこからともなく声が聞こえ振り向くと、そこにはスーツを着た赤ん坊が立っていた。