第4章 標的4 おませさん
「答えは……さ……3?」
綱吉がプリントを前にして自信なさそうに答える。
「はずれ」
リボーンが手元にあるスイッチをカタンと押した。
「んぎゃあぁあ」
凄まじい音を立てて爆発する綱吉の自室。
至近距離で被爆したというのに本人達は無事なのだから不思議だ。
これでも綱吉は勉強をしている。
それを家庭教師であるリボーンが見ているのだが……
「どこに答えをまちがえるたびに 爆発おこす家庭教師がいるんだよ!」
「ここにいるぞ、これがオレのやり方だ」
「まちがってるよソレ!!」
さらりと言うリボーンに綱吉のツッコミが入る。
ここ最近、綱吉の勉強風景はいつもこんなのばっかりだ。
「綾里の好感度アップのためにテスト勉強がんばるっていってたじゃないか」
「このままじゃ好感度があがるまえにオレが昇天して、綾里と会えなくなっちゃうよ!」
綱吉は思いだした。
この赤ん坊も綾里の事を狙っていて、本気で正妻にしようと企んでいる。
いくら家庭教師だからといって、何故恋敵である自分に協力してくれるのだろうか?
そんな綱吉の疑問を感じ取ったのか、リボーンが言った。
「ライバルが へなちょこ じゃオレがつまらないだろうが。とっとと、オレとはり合えるぐらいになりやがれ―――ま、どう変わろうと綾里はオレの嫁決定だ」
どこから来るんだ、その自信は!?
綱吉は不貞腐れたように口を開く。
「ったく、やってらんないよ」
そっぽを向く綱吉にリボーンはニヤリと笑う。
その笑みは何かを企んだような、嫌な予感を感じさせるものだったが、
生憎 綱吉はリボーンに背を向けていた為に気づかなかった。
「仕方ねぇな、ツナのやる気が出るように勉強方法を変えてやる」
「冗談だろっ!? 命がいくつあったって足りないよ!!」
「今度のは命の危険はないから安心しろ。
―――ただ、精神的に辛いかもな」
「なんだよそれ? って、オイ!リボーン!?」
リボーンはそう言うなり部屋を出て行ってしまった。