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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第3章 標的3 野球少年


「いのりの手作りか、ツナ羨ましいのな」

そこに現れたのは人懐っこい笑みを浮かべた 黒髪で体格の良い、クラスで人気者の少年。

「山本!?」
「じゃあ、明日山本君にも持ってきてあげる」
「おっ マジ!? サンキューな! あ、ツナ、オレも手伝うぜ」

山本は嬉しそうに笑うと一緒にトンボがけを始める。
綱吉はさっきの試合の事を思い出し気まずくなった。

「ごめん オレのせいで……せっかくチームに入れてくれたのに」
「いのりも言ってただろ、気にすんなって。 たかが体育じゃねーか。 頼むぜ オレの注目株!」
「?」
「最近おまえスゲーだろ? 剣道の試合でも 球技大会でもさ。この間なんか3年の不良からいのりを守ったって聞いたし」
「あ、あはは……」
「うん、綱吉凄いよ!」

綱吉が褒められたことが嬉しかったのか、自分のことのように喜び笑う綾里。
それを見た山本の心臓がチクッと痛んだ。

「だよな!(……なんだ? 胸がいてえ)それにひきかえ オレなんてバカの一つ覚えみたいに野球しかやってねーや」

「なっ、何言ってんだよ。 山本はその野球がすごいじゃないか」
「そうだよ。 1つの事をずっとやり続けるなんて簡単なことじゃないし、素敵じゃない」

綱吉と綾里はそう言うが山本はどこか遠い目をしている。

「それがどーも うまくなくってさ」
「え?」
「ここんとこ いくら練習しても 打率おちっぱなしの守備乱れっぱなし。このままじゃ野球始めて以来 初のスタメン落ちだ」
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