第12章 標的12 体育祭
「な、何を……」
「余計な者を排除しただけだよ―――今から僕がB・Cの総大将だ。いいよね運営」
『はいいい!!! で、では、男子は全員 棒倒しの準備をしてください』
風紀委員長に逆らえる筈がない。
B・Cチームがタッグを組んでしまったことにAチームのメンバーは騒然とした。
「なっ2対1!?」
「よっしゃ!B・C連合!!」
初めは戸惑いを見せていたものの、だんだんB・Cチームはその場のノリで盛り上がりはじめたではないか。
これは本当に厄介なことになった。
***
「私のせいで、大変なことに…………っ」
保護者席に避難している綾里が顔を真っ青にして言った。
落ち込む綾里をすかさずリボーンがフォローする。
「オレも同じような展開にしようと思ってたからな。もとはと言えば 借り物競争で雲雀が仕組んだせいもあるんだ。綾里が気にする必要はねぇぞ」
「綾里ちゃん、ツナ君達なら大丈夫だよ!なんてったって、私が認める永遠のライバルなんだし!」
「そうです、大丈夫ですよ! きっと!」
京子とハルは親友を元気付けたくて、綾里の手をぎゅっと握った。
「ツナ達を信じて見守りましょう」
「はい…………!」
ビアンキに優しく頭を撫でられて、綾里は強く頷いた。
***
「皆! オレ達で勝手に決めて、こんなことになって。ほんとゴメン!!」
Aチームの総大将である綱吉が他の男子生徒達に頭を下げて謝った。
「そんな、10代目が謝ることじゃ……!」
獄寺がフォローしようとすると、男子生徒達が ずいっと綱吉達の前に歩み寄る。
「そうだぜ、謝るなよ」
「雲雀のヤツに反抗するなんて こんな時でねぇとできないだろうし」
「せっかくここまできたんだ、無理そうでも頑張ろうぜ!」
「頼りにしてるぜ、『魔王』様!」
「っ、皆…………よし、いくぞ、お前らあああ!!!」
『オーーーーーーー!!!!!!』
こうして戦いの火蓋は切って落とされた。