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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第12章 標的12 体育祭


―――次、私の番だ。

綾里は髪ゴムで 頭の高い位置で長い髪を手早く1つに束ねると、その上から大切なお守りであるハチマキを走って落とさないように ぎゅっと結ぶ。

「最後の組、準備してください」

ついに係りの生徒から号令がかかり、綾里が立ち上がった時だった。

『綾里ーーーっ!!』
『いのりーーーっ!!』
『綾里ちゃんーーーっ!!』
『頑張れーーー!!!』
「!」

背後から とても大勢の声援が聞こえてきた。
綾里が応援団の方へ振り返ると、最前列には綱吉・山本・了平・ビアンキ・京子・ハル・奈々にランボといった お馴染みの面々が。
そしてすぐ後ろにはAチームのメンバーが旗を大きく振って応援してくれていた。

「綾里さん!」
「隼人!」

今度は左側から声をかけられた。
呼ばれた方に視線を向けると、どこか張り切った様子の獄寺がレーン近くギリギリの所でビデオカメラを構えニカッと笑っていた。

「応援、後ろだけじゃないっスよ!」
「え……―――!」

獄寺が指差した方を見る。
遠く前方にはゴールテープを持っている花とスイーツ部 部長の姿があり、ゴール近くには獄寺と同じようにカメラを構えたリボーン、自分の仕事を放置したらしいシャマル、先に走り終わったチームメイト達が綾里のことを見守っていた。
そして驚いたことに、なんとあの雲雀までもがいるではないか。
雲雀はリボーンに何か耳打ちをすると 早々に退散してしまったが、校舎に向かう際、彼は一瞬 優しげな視線を綾里に向けた気がする。

後ろに前に、左に右に。
様々な方向から自分を応援してくれる声が聞こえる。
―――もう緊張なんて どこかに吹き飛んでしまっていた。

綾里は応援してくれる人達の笑顔に負けないぐらいの笑みを返すと、すぐにキリッと気を引き締め、スタートラインに立った。


「位置について! よーい――――――」


パァンッ!!


高らかに鳴り響いたピストルの音と共に綾里は疾風の如く駆け出した。
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