第12章 標的12 体育祭
綱吉が動けないでいると、タイミングよく笹川家の長男が帰宅する。
彼の後ろには山本・獄寺の姿もあった。
綾里が笑顔で駆け寄る。
「お帰りなさい了平さん! 武に隼人も、どうしたの?」
「棒倒しの練習にさそわれたんだ」
「明日勝つためにもグッドアイデアだと思ったわけっス」
「そっか、皆 頼もしいね! 私も負けてられないな!」
「ははっ、 綾里やる気満々なのな!」
「……張り切る綾里さん、素敵ですっ……!」
近くで綾里に微笑まれた山本と獄寺が照れくさそうに笑う。
綾里は次に了平の方に視線を向けて、
「わぁ立派な棒ですね!」
「うむ、そうだろう! 師匠に言われて魔王の為に特別な棒を見つけてきてやったぞ!」
「師匠……ですか?」
「タイの長老 パオパオ師匠だ」
「あ!リボ―――じゃなかった、パオパオ師匠!強力な助っ人ですね!」
いつか見た、ゾウの着ぐるみ姿のパオパオ師匠―――もといリボーンが「パオーン!」と言いながら、棒の頂点から滑り棒のように降りてくる。
……と、その時、今まで棒をじっと見つめていた綱吉が ぽん、と手を叩いた。
「……思い出した! オレ、
木登りできないんだった!!」