第12章 標的12 体育祭
満場一致でA組の棒倒しの総大将は綱吉に決まり、綾里達は帰り道、体育祭の話題で盛り上がっていた。
「綱吉のこと全力で応援するね」
「私も 体育祭 頑張ろう!」と張り切る綾里に、綱吉は至極幸せそうな表情で、当日 応援してくれる綾里の姿を想像した。
(応援してくれるだけで嬉しいけど……欲を言うなら綾里にチアの格好で応援してもらいたいな……)
運動が大好きな綾里。
体育祭 本番ではきっと いつもより元気いっぱいなのだろう。
そんな綾里に合わせてチアガールの衣装はオレンジか赤系のものが似合いそうだ。
それを着て、両手にボンボンを持って応援する綾里……
「想像しただけでワクワクするな」
「ドキドキするよ!!」
綾里のことですっかり盛り上がる綱吉はリボーンに「またお前 心の中 読んだだろ!?」という突っ込みをするのを忘れた。
好きな子が自分の為に応援してくれるだけで、憂鬱な行事が楽しみになってくる。
例え対戦相手が「絶対この人 天下一武道会 目指してるだろう」と思われるサイ○人ヘアの先輩でも、「明らか年齢詐欺してるだろコイツ」と思われる相撲部の主将でも、今の綱吉には相手が誰であろうと負ける気がしなかった。