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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第12章 標的12 体育祭


「―――それで了平さん。オレを指差して……一体、何の話し合いをしてたんですか?」

尋ねられた了平は綱吉に熱い眼差しを向けながら、これまた熱く語った。

「【棒倒し】の総大将に相応しいのは魔王しかいないと思ってな!!喜べ! オレがお前を推薦しておいたぞ!!」

……どうやら完全に了平の中で綱吉は【魔王】だと定着しているようだ。
そして当人である綱吉も訂正する気はないようで(いくら言っても聞かないので、する気が失せたと言った方が正しい)

「ボータオシ?」

聞き慣れない単語に獄寺が疑問を抱く。
獄寺の隣に座る綾里が微笑みながら説明した。

「簡単に言うとね、『相手チームの棒を倒す』団体競技なの。ウチでは最終的に 棒の頂点にいる総大将を地面に落とすことができたら勝ちだよ」
「なるほど……!10代目のすごさをわかってんじゃねーかボクシング野郎!」
「すげーな、ツナ!」
「は? えっなんで!」

ちなみにこの棒倒し、男子生徒総出で行われる。
しかも勝敗の結果がチームの優勝に大きく響くのだ。
総大将は言わばチームの要。
本来なら力のある高学年が務めるのだが、大将候補であった了平が辞退してしまった。
いきなり大役に推薦された綱吉は、慌てて拒否しようとするが、極限真っ直ぐな男はどんどん話を先に進めてしまう。

「賛成の者は手をあげてくれ! 過半数の挙手で決定とする!!」

周囲は予想もしなかった事態にザワザワと騒ぎ出した。

「1年にゃムリだろ」
「オレ反対~」
「負けたくないもんねえ」

皆 チームの命運を【ダメツナ】の綱吉に任せたくないのだろう。
大将になりたくない綱吉は反対の声を聞いてほっと安心した。
しかし、ふと、ある考えが頭をよぎる。

(待てよ……もし、オレが棒倒しで活躍すれば……)
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