第11章 標的11 風紀委員長
オレ達の存在 脳内から消去しやがった……ッ
そんなに2人きりの世界になりたいのか!?
言葉を失っている綱吉達を余所に雲雀はしれっとした態度で言い放つ。
「僕は弱くて群れる草食動物が嫌いだ。視界に入ると、か、か、か……」
―――と、ここで何故か雲雀がどもる。
彼はチラチラと綾里を横目で見て、彼女の様子を伺っているではないか。
「……蚊?」
綾里が首を傾げる(違うと思いますよ、お嬢さん)
「か……噛み付きたくなる」
雲雀が非常に言いづらそうに言った。
コイツ、綾里に嫌われたくなくて猫被ってやがる!!
彼は本当は綱吉達にむかって「咬み殺したくなる」と言いたかったに違いない。
「ははっ、【ヒバにゃん】 ってか?」
「コラァ、山本! お願いだからこのカオスな状況でボケないでくれる!?―――獄寺ァ、水!!」
「はい、どうぞ!」
獄寺がささっと綱吉にペットボトルを渡した。
綱吉はズボンから頭痛薬―――バファ○ンを取り出す。
最近、これが手放せないんだよね by.魔王
綱吉は薬を飲んで一息つくと疲れた様子で号令をかけた。
「……緊急事態だよ、全員集合」
綱吉の元に、獄寺・山本・綾里が集まる。
4人は応接室の片隅に移動すると円陣を組み、しゃがみ込んだ。
「……番号、いち」
綱吉がげっそり呟く(大丈夫か少年!?)
「に!」
獄寺。
「さん!」
山本。
「よん!」
綾里。
「……ご」
……ん? ちょっと待ちやがれ、1人多いぞ?
ま、まさか―――
綱吉はギ、ギ、ギ、と首を捻って声がした方を見た。
「……何?」
そこには、ムスッ、とした表情の雲雀が。
「「うわあああ!?」」
獄寺と山本が悲鳴を上げる。
綾里は「恭弥さん、いつの間に?」と、疑問を抱いていた。
もう頭痛が限界にきている綱吉は頭を抱えながら、
「ちょっ、まっ、雲雀さん!! 何円陣に加わってるんですかっ!?アンタ、群れるの嫌いゆったよね!?」
「……そうだけど、綾里がいるなら話は別だよ―――というか、君が 『全員集合』 って言ったんじゃない。まったく、自分の言ったことに責任もちなよね」
「アンタに言われたくねぇ!!」
綾里と雲雀を除く他3名は心の底から思った。
やっかいなのにつかまったぞ……