第11章 標的11 風紀委員長
―――綾里が部活動をしている頃、綱吉達はというと、
昼休みに話し合った通り応接室の前に来ていた。
先頭の山本が応接室のドアを開く。
「へ~~~こんないい部屋があるとはね――」
「やぁ、よくきた―――」
山本が即行でドアを閉めた。
彼の後ろにいた獄寺は怪訝な顔になる。
「おい、何閉めてんだよ!」
「山本……顔が青いけど、大丈夫?」
「あ、ああ……何か、物凄いものを見ちまったというか……」
「「??」」
意味が分からず獄寺と綱吉は首を傾げる。
山本は額に汗を滲ませドアノブに手をかけたまま、思考を巡らせた。
―――今、確かに男子生徒の姿があった。
そして山本はその人物に直接会ったことはないものの―――【知っている】
(確かあいつは……)
風紀委員長でありながら不良の頂点に君臨する
ヒバリこと雲雀恭弥……!!!
―――いや、今はそんなことどうでもいい。
あの男、優しく微笑んでなかったか?
「ったく、野球バカはほっといて中に入りましょう10代目」
「うん」
痺れを切らした獄寺が山本を跳ね除けドアノブに手をかけた。
山本が慌てて止める。
「獄寺、ツナ、待て――」
山本の制止を聞かず、少年達が部屋に足を踏み入れた瞬間、
「消えろ」
殺気のこもった声と共にトンファーが綱吉達を襲った。