第11章 標的11 風紀委員長
「楽しそうじゃねぇか、お前ら」
突然声がしたので、4人が振り向くと、
「どうしたんだよ、リボーン!?」
毛むくじゃらのリボーンがいました。
……一体彼は何の着ぐるみを着ているのだろう?
今回ばかりは予想もつかない綱吉達。
どこか元気のないリボーンに綾里は心配になって彼の頭をよしよしと撫でた。
「リボーンさん。えっと、それは―――”マリモ”のコスプレですか?」
「……違うぞ。コレは栗だ」
「100人が100人否定するぞ!」
綱吉が即座にツッコむ。
リボーンは一瞬沈黙した後、
「……そうだな」
なんだって?
あの鬼畜家庭教師が素直!?
驚きのあまり固まる綱吉。
明らかに様子がおかしい。
しかしその答えはリボーンが見つめる先にあった。
リボーンが悔いるように見つめているのは―――空になったお重箱。
ああ、なるほど。弁当を食べ損ねたせいで本来尖っている筈の針がしょんぼりしている訳だ。
綾里もリボーンが落ち込んでいる理由を察したのか、リボーンにデザートのプリンを2個手渡した。
「……綾里、これはお前の分だろ」
リボーンに問われて綾里がにこっ、と笑った。
それだけでリボーンの心が温かくなる。
「リボーンさんにあげます。―――デザートしか残せなくてごめんなさい。お弁当、また作ってきますから……許してくれますか?」
「その時はオレ専用の弁当箱で、とびっきりのを頼むぞ」
「はい!」
綾里が元気よく返事をすると、着ぐるみの針が本来の鋭さを取り戻した。
分かりやすいな、オイ!!