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青薔薇姫《家庭教師ヒットマンREBORN!》

第11章 標的11 風紀委員長


「おい、お前ら。 【アレ】 で決めるぞ」

完全に魔王モード突入の綱吉。
獄寺と山本はアレの意味が分かっているようで真剣な表情で頷いた。
何やら決闘でも始まりそうな雰囲気。

(な、何をするんだろう……)

ただ1人アレの意味が分からない綾里は、綱吉達を見守ることしかできなかった。
輪になる3人そして……

「「「最初はグー!!! じゃんけん……」」」

ポン!!!

勢いよく3人の手が差し出された。
はたして勝者は……?

沢田綱吉……チョキ
獄寺隼人……チョキ
山本武……チョキ

「チッ、あいこか」と、毒を吐く綱吉と山本だったが、獄寺が驚きの声を上げる。

「ちょ、ちょっと待ってください10代目。あれを見てください……!」
「「??」」

綱吉と山本が首を傾げる。
2人は獄寺が示した方向に視線を向け……よく見ると、ちっちゃな手が混じっているではないか。
白く華奢な手。その手の主は当然―――

いのり綾里……グー

Winner いのり綾里!!

「「「綾里(さん)っ!?」」」

驚く綱吉達。
まさか自分が勝つと思っていなかった綾里は、申し訳なさそうに眉をハの字にした。

「急に割り込んでごめんなさい。 実は私もウィンナーが好きで、その……食べたかったの」

かああ、と顔を真っ赤にさせて俯く綾里。
つられて綱吉達も赤面した。

くそ、可愛いんだよコンチクショウッ!!

3人は思わず己の拳をダンダン!と地面に打ちつけた。

あのね、綾里。
オレ達は別にウィンナーが好きだから奪いあってたんじゃないんだよ。
【綾里が作ったもの】だから欲しかっただけなんだ。
―――なんて、恋敵がいる手前そんなことを言える筈もなく。

綱吉達は優しく微笑んだ。

「これは綾里が食べて」
「いいの?」
「もちろんです!」
「マジで決闘が起こりそうだったし、綾里が勝者なら納得いくのな」
「3人ともありがとう。じゃあ、いただきます!」

ぱくっ、と穴だらけのウィンナーを頬張る綾里。
それを微笑ましげに見守る少年達の姿がありました。
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