• テキストサイズ

With me

第13章 夏の思い出



お祭り会場に近づくにつれ人が増えてくる


「すごい混んでますね」


思ったよりごった返す人

出入口に位置するこの通りは特に溢れかえっている

はぐれないようにしないと…


って、あっ!


慣れない下駄につまずきバランスを崩す

倒れるほどではなかった


「あれ、喜助さん?」


うそ、早速はぐれちゃった…

あたふたしてる間にも、人の行き交いでどんどん場所を移動してしまう

どうしよ…

霊圧で場所わかるかな…って思ったのも気休め…

死神だってたくさん来ている

この中から喜助さんの霊圧探すのは、平隊員の私には無理に等しかった

困ったなぁ…

とりあえず人の少ないところに移動しよう‥

そしたら喜助さんが見つけてくれるかも‥


「紫苑!」

「え?」


腕を捕まれて振り返るとそこには愛しい人がいた


「よかった…!心配したんスよ…」

「喜助さん!」


少し息を切らしてる…

人混みを掻き分けて探してくれたんだろう…


「ごめんなさい、私…」

「なにもなくてよかったっス。さ、行きましょ」


喜助さんは私の頭を撫でると、また屋台の通りに体を向けた

私は咄嗟に喜助さんの浴衣の袖をつかむ


そしたら喜助さんはゆっくりこっちを向いて


「そんなんじゃまたはぐれちゃうでしょ……ハイ」


目の前には差し出された大きな手があった…

トクンと胸が鼓動する

その手を掴んだらグッと引き寄せられて、指の間に喜助さんの指が絡まる

これって……


「恋人繋ぎ……」

「だって恋人でショ?」

「え!聞こえてたんですか?」



紫苑は恥ずかしそうに視線をそらす

手を繋いだだけでドキドキする


「今日は隠さなくていいから、体調悪くなったらすぐ言うんスよ?」

「はい!ありがとうございます」


目線の先に知った顔が居た


「あ、琴乃!」

「平子サンとひよ里サンもいるっスね」


射的の屋台に見知った3人の姿が見える


「あ、紫苑ー!」


向こうから琴乃が大きく手をふってくる


「浴衣似合ってるね!髪型もかわいー!」

「き、喜助さんにやってもらったのっ」

「あら、ノロケちゃってー!今平子隊長が射的とってくれてるんだよ!」



/ 761ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp