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With me

第12章 会いたいです



「紫苑~もうすぐ終わりのとこ悪いんやけど、これ四番隊に持って行ってくれへんか?今日までやったの忘れとって…」


あと2.30分程で終業の鐘が鳴るだろう頃に、紫苑は仕事を任された


「いいですよ。急いで行ってきますね」

「終わったら直帰してえぇから」


机の上を軽く片付けて、ひよ里から書類を受けとる


「いえ、少しだけやることがあるので、また戻ってきます」

「例の調査書の整理やろ?そんなん別の日でええよ」

「その日の仕事、その日のうちに。が私のモットーなんですよ」


はー、真面目やなぁ

とひよ里が感心のため息をついていると、紫苑はそれじゃあ、と隊を出た

時間が迫っている

自然と急ぎ足になる


「やっとついた…」


十二番隊から四番隊にはなかなかの距離がある

紫苑の息が上がるのも頷ける

なんだろ…

なんか今日はやけに、息苦しい…


「えっと確か執務室は…」


書類を届けたら少し休もう…

身体の異変に気づき始めた紫苑

自然と目的の部屋の扉を開ける手が早くなる


「失礼します。本日までの書類をお持ちしました。遅くなって申し訳ありません…」


一番手前に居た女性の隊員が書類を受けとると、その場で軽く目を通した


「大丈夫ですよ。…はい、確かに。お疲れ様です」


その時…


「だ、大丈夫ですか?!」


彼女の目の前で、顔を白くした紫苑が倒れた

すぐに数名の隊員が駆けよってくる


「貧血っぽいな」

「担架持ってきて。一番近くの部屋に寝かせるから」


さすが四番隊と言える迅速な処置

紫苑はすぐに安静が保たれた


「この子何番隊の子?」

「わからない…隊服見る?」


女性隊員が小さくごめんね、と言いながら紫苑の隊服をめくる


「十二番隊に連絡して」





…─





終業の鐘が鳴る

それと時を同じくして研究を終えた喜助は、技術開発局から隊舎への道を急いでいた



あー…早く紫苑に会いたい


「ひよ里サン!」

「相変わらずひっどい顔してんなァ…」


数日ぶりに会ったというのに彼女も相変わらずだ


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