第12章 会いたいです
そりゃここ数日でデートしたり、告白されたり、キ、キスされたりってなんか凄まじいスピードで過ぎていった日々だったから、私の心臓休ませるのにちょっと喜助さんと会わないのもアリかなーなんて思った初日の私に今の私を見せたい
2日目からあれ?なんか胸がスカスカというかスースーするというかもの足りないっていうか…
あの人に、囁かれたのもこの日
喜助さんには、言わないでおこう
忙しいだろうし…まだ何も、されてないし…
3日目の今朝
たった3日、会えないだけでこんなにも寂しいと感じるなんて…
「寂しい……」
「でも明日お祭り一緒に行けるんでしょ?」
「お祭りには間に合わせるからって言ってた」
「だったらそんな顔してないで、笑顔でお疲れ様って言ってあげなきゃ!」
「そうだよねぇ…」
「隊長も今頃同じ気持ちだよ!頑張って研究終わらせてるって!」
琴乃が紫苑の背中をバンッと叩く
「よっしゃ!そんな紫苑にプレゼントや」
「え?」
平子に手渡されたのは
「温泉旅館?」
そこは瀞霊廷の外れにある人気の隠れ家宿
そこの宿泊券だった
「い、いいんですか?こんないいところ」
「こないだの菓子の詫びや」
「真子にしては気ィ利くやんけ」
「そのうち喜助と行ってき。元気だしや」
真子はポンポンと紫苑の頭を叩く
「さっきまで落ち込んでたとは思えないですね」
「アホ。紫苑の幸せが俺の幸せやねん。まァホンマは俺が幸せにしてやりたかったんやけどな」
フッと切なげな表情を見せる真子にひよ里は
「くっさぁぁぁ!なんかかゆなってきたわぁ」
紫苑はその宿泊券を手に目をキラキラさせている
「ありがとうございます!平子隊長!」
紫苑は平子の手を両手で包み、そのキラキラした目で平子を見つめる
「お、おぅっ」
やっぱかわエェな…紫苑
紫苑はルンルン気分で執務室へと戻っていった