第11章 隊長とじゃなきゃ嫌です
両方の手を絡めるとそのまま紫苑の顔の横に縫い付けた
そのまま強引に紫苑の唇に自身の唇を重ねた
「ん…っ…」
何度も角度を変えて紫苑の唇をたっぷりと堪能する
「っ……んぅ…」
呼吸がしづらく紫苑は手に力を入れる
それに気づいた喜助は唇を離す
「はぁっ……たいちょ…っ」
喜助が唇を離したのは一瞬で、またすぐに唇を重ねた
紫苑が酸素を求めて口を開いた瞬間を見逃さず、そこに自身の舌をねじ込む
「や…ぁん…」
くちゅくちゅといやらしい音が隊首室に響く
紫苑の口内を残らず舐め回し、最後にもう一度ねっとりとキスをする
ゆっくりと唇を離すと名残惜しい銀の糸が2人を繋ぐ
「はぁ…はぁ…」
紫苑は腰が抜けてズルズルと座り込む
それに合わせて喜助もしゃがみ、紫苑の首筋にキスをする
「き、喜助さんっ!」
ピタッと喜助の動きがとまり、絡めていた手をほどく
「はい、なんでしょう♪」
「も…イジワル…っ」
「紫苑が悪いんスよ。隊長って呼ぶの禁止、ね?」
コクンと頷く紫苑は、まだ座りながら少し息を整えている
「それにしても…」
紫苑の口から垂れた糸を指で拭う
「腰抜かしちゃうほど、うまかったっスか?」
「もぅ!喜助さんたら!」
「…紫苑見てると我慢できなくて…」
…そんな切なそうな顔されたら…怒れないじゃないの…
「……怒った?」
子犬みたいな悲しそうなシュンとした顔にトクンとなる私
「怒ってないですよ」
ギュッと紫苑を抱き締めて耳元で囁かれる
「よかった…」
喜助を抱き締め返す
「ボクこれからちょっと研究が忙しくなるから、しばらく会えないんス…」
「え?そうなんですか?」
「夏祭りには間に合わせるから…ごめんね…」
この時は仕方ないと思った
元々研究室に籠ってる時間のほうが多い人だったから、少しくらい会えないのは別に平気
「頑張ってくださいね」
ニコッと笑ってる紫苑にもう一度キスを落とす
「好きだよ」
紫苑の頭を優しく撫でると喜助は隊首室を後にした