• テキストサイズ

With me

第11章 隊長とじゃなきゃ嫌です



研究に煮詰まり気分転換に外に出た

紫苑は元気にしているだろうか

まだ付き合って数日しか経っていないのに、気になって仕方ない


「喜助…!」


ふいに呼ばれた名前

振り向いたそこには


「アナタ…」

「ねぇ…彼女ってなんで?どうして?」


確か…紫苑と出会う前

何度か関係を持った…


「二年前、関係を終わりにしたいって言ったのは…一緒に寝てくれなくなったのはそのせい?」

「…そうっスよ」


紫苑に出会ってから、ボクは全ての女性との関係を切った

紫苑を一目見て、惚れてから、他の女性が全て汚く見えた

そして、そんな女性たちを抱いていたボク自身も…


「私を捨てるの?あんなに…愛してくれたのに…」


彼女の両手がボクの腕を掴む

それをボクは静かに離した


「確かにボクは、アナタを抱きました。だけど愛してた訳じゃない」

「え…」

「勘違いしてるのかもしれないっスけど、アナタとは何も始まってもいない。アナタの名前も、覚えていない」

「待ってよ…喜助…私よ?麻美よ?」

「ボクが愛しているのは、紫苑だけです」

スミマセン


「あら、残念……」


彼女に背を向けて、研究室に戻った


「許さない許さない許さない…!」


二年前、一方的に関係を切られても、他の子もそうだと聞いたからまだ諦めがついたのに…

私の喜助を…奪った女は誰?

紫苑?

その女はどこ…?


「あの、すみません。此処の隊に紫苑という方は居ますか?聞きたいことがあって…」


近くを通った隊員に聞いたら、すんなりと案内してくれた


「ねぇ、アナタが紫苑さん?」


この女が、喜助の…


「え…はい。西園寺紫苑です」


心臓がバクバクしてる

ムカつく

ムカつく

ムカつく!


「喜助は私のものよ…」


振り上がろうとする右手を必死に抑えて、女の耳元で、殺気を飛ばすように囁いた


「え…」

「あなたなんかに、渡さない…」


そして女はその場を離れた


背筋が凍りつくようだった

冷たい殺気が、脳に響いて…

あの人は、喜助さんが手をつけたうちの1人なんだろうか…


/ 761ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp