第11章 隊長とじゃなきゃ嫌です
「私で…いいんですか?」
「紫苑サンがいいんです…って、なんでまた泣いてるの…」
「嬉しくて‥なんか、夢みたいです…っ」
喜助は指で紫苑の涙をぬぐう
「だから、夢にされちゃ困るんスよねぇ」
そのままの指で喜助は紫苑の下唇をなぞる
顎に手をかけ少しだけ上を向かせる
まただ…
紫苑サンの涙目上目遣いは、心臓に悪い…
「目閉じて…」
大人しくボクの言うことを聞いて静かに目を閉じる紫苑サンがもうたまらなく、可愛い
お互いの吐息が重なるぐらい近づいた唇…
ボクも目を瞑った…
バタバタバタッ
「ちょ!夜一さん重いです!!」
「す、すまん!乗り出しすぎてしまったようじゃ」
「なんでウチまで巻き込まれなきゃアカンねん!」
大きな音をたてながら角から3人の死神が倒れてくる
「「あ」」
目があって、沈黙が流れる
「何邪魔してくれてんスか…」
喜助は物凄い形相で睨みをきかせる
「す、すまんのぉ喜助」
「すまんでボクが許すとでも…?」
喜助は霊圧をグングンあげていく
「っ…たいちょ…苦し…」
紫苑は霊圧に耐えきれずにうずくまる
ハッとした喜助はすぐに霊圧を元に戻す
「ごめんねっ、大丈夫?」
胸を押さえて呼吸を整える紫苑の背中を優しくさする
「琴乃、ひよ里、今のうちじゃっ」
夜一は2人を連れて瞬歩でその場を離れる
「ふぅー危なかったのぉ」
「隊長さんの霊圧ってヤバイですね」
「琴乃は大丈夫やったか?」
「なんとか…それより、邪魔しちゃってちょっと可哀想だったなぁ」
「なに、思いは通じあったのじゃ。これからいくらでもイチャコラできるじゃろ」
「イチャコラって…アホか」